初めての海

 

初めての海

明日、どうか晴れますようにと
髪を乾かしてあげている最中、
小さな手のひらと手のひらを合わせながら、
神様にお祈りごとを唱える姪。

 

目をつぶって、私に聞こえるか聞こえないかの声で
長いこと祈りを送る姪は、
神の存在を確信した、次元の違う場所にいるかのように感じさせる。

 

目をパッと開けると、鏡越しに目が合った私にニコッとして
またいつも通りの姪に戻り、お尻丸出しで踊り始めるのだ。

 

心底無邪気な天使のそばにいるのは
心地よく癒され、ピリッとした刺激を受ける。

 

次の日は、太陽は顔をあまり出さなかったものの、
十分な暑さと、十分涼しい風を提供してくれた。

 

お台場の波のない海しか経験していない姪にとって
実質初の波のある海。

 

小さな浮き輪と、
私の兄二人に連れられいざ出陣。

 

キャーキャー言いながら
ずっとニコニコしていた姪が突然曇り顔になり、
泣いている様子が浜から見えた。

 

急に怖くなっちゃったのかも。

 

そんな風に浜辺に残っている家族と会話していたが、
戻ってくる兄に聞いてみると
私たちの予想とは全然違った理由を聞かされた。

 

もっともっと沖まで行きたいのに、
パパが連れて行ってくれない。

 

 

 

それが、泣きべそちゃんの理由。

 

 

 

恐くて泣いている子は周りにもいたが、
彼女はチャンレンジ、好奇心、可能性を閉ざされると心が折れるようだ。

 

 

 

 

残念そうな顔と、納得いかないわ!という表情が
入り混じりながら戻ってきた。

 

 

 

 

もう少し長く一人で泳げるようになったらね。
まだ危なくて心配だよ。

 

 

 

 

なんて大人に言われる姪は、紫色の唇をして
目の前のコアラのマーチを嬉しそうにかじる。

 

 

 

 

あなたの、閉ざされたくない道は何ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ 初めての海 ]MyMeiRin2017/07/31 14:14

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